刑事事件における暴行と傷害―弁護士など法律家はどう考えそうか

刑事事件における暴行と傷害―弁護士など法律家はどう考えそうか

  • HOME
  • 傷害の実例

傷害の実例

判例上暴行によらないで傷害罪が認められた事例をいくつか列挙して紹介します。

事例①

いやがらせの電話を被害者に対して掛けることにより、加療3週間を要する精神衰弱症にさせた。

事例②

ほとんど毎日、被害者の家周辺を徘徊して怒鳴り声や騒音などのいやがらせ行為をして、入院加療3ヶ月を要する不安・抑うつ状態にさせた。

事例③

3年半の間に10,000回以上の無言電話やいやがらせ電話をかけ続けて、被害者に心的外傷後ストレス障害(いわゆるPTSD)を負わせた。

事例④

被害者の娘に対して一方的な恋愛感情を持ったが警戒されてしまった復讐に、その女性の住居に3回放火したり、1ヶ月半の間に約2,000回の無言電話をかけ、被害者の母に全治不明の心的外傷後ストレス障害を負わせた。

 

このように、傷害罪とは必ずしも殴る・蹴るなどの暴行による事例に限られないことがお分かりいただけると思います。暴行によらない行為(無形的方法)により、人の生活機能を害する結果が生じた場合には、傷害罪となります。もっとも、無形的方法の場合、傷害の結果がなければ傷害罪にあたらないことはもちろんですが、有形力の行使がないので暴行罪にもあたりません。

このページのTOPへ